府中にある都内最高峰の富士塚に登ってみよう

府中市の浅間町4丁目と若松町5丁目にまたがる地域に「浅間山公園」があります。諸説ありますが、ここは、東京都内の富士塚としては最高峰だと言われています。浅間山は、四季の自然が楽しめる手軽な散策スポットとして地域の人々に愛されてきました。秋の自然を探しに、都内最高峰の富士塚を訪れてみてはいかがでしょうか。

江戸時代の富士山信仰から生まれた「富士塚」

都内には100を超える富士塚が残っていると言われています。江戸時代には、富士山信仰が盛んでしたが、当時の江戸の人々にとって富士山までは遠く、資金的にも時間的にも、そう簡単に登ることはできませんでした。
そこで、当時の人々は江戸の随所に富士山を模した築山「富士塚」を作り、そこに登ることでご利益を得ることができると信じていました。

「富士塚」には、表面には富士山から運んできた溶岩を配置し、奥宮を据えた頂上にも富士山から持ってきた土を置くことが決められていました(現在は、溶岩も土も運び出すことはできません)。また、登山道には、本物の富士山を模して「〇合目」と彫られた合目碑が建てられていました。
府中の浅間山は、築山ではないので、正確には「富士塚」ではないとする説もありますが、山の頂には鳥居とその先の石段を登ると祠もあり、まさしく富士山信仰のための浅間神社を祀る「富士塚」であることが分かります。

標高約80メートル、手頃な散策スポットとしても人気

浅間山公園は、多摩の台地が古多摩川などの河川に削られて小高い丘として残ったもので、堂山、中山、前山の3つの頂をもっています。
標高は約80メートルですが、山のふもとの若松町の標高が約50メートルので、そんなに高くないことが分かります。
舗装されている道もあるため、愛犬を連れたちょっとした散策にも最適です。
浅間山には、浅間神社、水手洗(みたらし)神社、人見四郎の墓跡があり、昔は、近隣農家の農用林としての役割も担っていました。
山への入り口はいくつかのルートがありますが、山の最も高いところにある浅間神社に最短時間で登れるのは参道ルートです。

浅間山には、あずまやなどの休憩できる場所やお手洗いもあるため、気軽にお出かけできます。ブランコや滑り台など遊具のある児童遊園もありますので、お子様連れにも最適です。女坂、もしくは男坂を登った頂上には浅間神社があります。天気が良い日には富士山を見ることのできるスポットもあり、府中市内で手軽に自然を満喫したい方にはおすすめです。

日本で唯一の植物も

「富士塚」の話題ではありませんが、ここには、浅間山にはもうひとつの自慢があります。ここには、日本で唯一自生している貴重な植物「ムサシノキスゲ」があるのです。
昭和23年(1948年)、植物学者の檜山庫三(ひやまこうぞう)先生が学会で発表し、世の中に広く知られるようになりました。
「ムサシノキスゲ」は、ニッコウキスゲの変種です。武蔵野に咲いているニッコウキスゲということから、「ムサシノキスゲ(武蔵野黄管)」という名がつけられました。「ムサシノキスゲ」が咲く時期は、5月頃です。濃い緑の葉から長い茎を伸ばし、淡いだいだい色の花をつけます。来年の5月には、ぜひ、鑑賞に行ってみてはいかがでしょうか。

所在地 府中市浅間町4丁目、若松町5丁目
アクセス 京王線東府中から京王バス武蔵小金井行き浅間山公園下車すぐ
JR中央線武蔵小金井から京王バス東府中行き浅間山公園下車すぐ

*浅間山公園には駐車場がありませんのでご注意ください。



[参照URL]
Asahi Shimbun Digital Magazine [and] / 府中市 / FUCHU KIRARI LIFE / むさしのの都立公園 /

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