みなさんは、こんな噂を耳にしたことがあるでしょうか?
「浮世絵に、スカイツリーが描かれている」
…浮世絵と言ったら、江戸時代に生まれた絵画。
スカイツリーが完成したのは2012年。
当たり前ですが、そんなものが浮世絵に描かれているはずはありません。
少し前になりますが、こんなCMが流れました。
どうですか?検索してみましたか?
絵の左のほうに、確かに高い塔のようなものが描かれていますよね。
「東都三つ又の図」 というこの絵、まさか本当に未来を予知して描かれたものなのでしょうか…
この絵を描いたのは、歌川国芳。寛政9年生まれの浮世絵師です。
彼は他の浮世絵師に比べると奇抜な発想や大胆な構図が人気で、
そのユニークな画風から「奇想の絵師」と呼ばれたこともあり、
そんな彼だからこそ何かを予知していたのではないか?!と、
新聞で取り上げられるほど、一時話題になりました。
結論から言うと、スカイツリーではないかと騒がれたものは、
当時の井戸掘りに使われた「櫓(やぐら)」なのではないか?と今は言われています。
しかし、そんな少し不思議で夢のある噂がたってしまうほど、
歌川国芳の作品は不思議な魅力に溢れているのです。
そんな歌川国芳の展覧会が、府中市美術館で始まります。
ここ数年、国芳人気は凄まじく、葛飾北斎や歌川広重をそのぐ勢いでは、
と言われているほどです。
今回の展覧会でも見ることのできるこの金魚の絵を見ると、
現在の漫画やアニメの擬人化にとても近いものがあるような気がしますし、
デザイン的にも、現代の感覚で見て「かっこいい」と思わせる何かがありますよね。
「なぜ今、国芳なのか?」その答えを、この展覧会で見つけることができるかもしれません。
会期は5月の連休まで。お散歩がてら、見に行ってみてはいかがでしょうか?
(via 府中市美術館)