住宅ローンを組む際には、固定金利と変動金利のどちらがよいのでしょう。
この記事では、それぞれのメリットとデメリットを解説していきます。
固定金利とは何?
固定金利は、契約時に決定した期間の間、金利が固定で変わらないローンです。
固定金利には、全期間固定金利型と固定金利期間選択型の2種類があります。
全期間固定金利型は、借入時から完済するまでずっと金利が変動せず支払額も変動しません。
固定金利期間選択型は、何年かの決まった期間だけ金利を固定します。
例えば、3年間の固定金利を選び、毎月の返済額が8万円だった場合、その3年間は支払額がずっと8万円のままです。
固定期間が終わった後は、再度固定金利を選択するか、変動金利に切り替えるかを選んでいきます。
変動金利とは何?
変動金利は、支払途中に定期的に金利が見直されるタイプのローンです。
このタイプの金利は、他の金利タイプと比べると設定値が低い傾向にあります。
金利は半年ごとに見直され、金利が下がれば支払額が減り、金利が上がればその分支払額も増える仕組みです。
しかし、金利が見直されるたびに支払額が変わるわけではありません。
通常、支払額の変更は5年ごとに行われるため、5年に1度の更新で支払額が増える場合でも、準備をする猶予があります。
また、金利の見直し後の返済の金額は、いままでの支払額から125%までしか上がらない決まりがあります。
例えば、毎月の支払額が8万円だった場合、金利が大幅に上昇しても、5年後の支払額の上限は10万円です。
ただし、もし金利の上昇により本来の支払額がさらに高くなる場合、その差額は免除されるわけではありません。
次の支払額見直し時に繰り越され、返済計画に反映されます。
固定金利のメリット
固定金利の仕組みは分かりましたが、メリットは何でしょう。
ここからは、固定金利のメリットについて解説していきます。
ライフプランが立てやすい
固定金利は契約時に定めた期間中、金利が一定で変わりません。
これにより、ローン返済額も変動せず、毎月の支払額が一定になります。
支払額が一定であることで、家計の管理がしやすくなり、子どもの教育費、車や家電の購入、旅行費用、老後の資金準備など、さまざまなライフプランを立てやすくなります。
市場金利が上昇しても金利が高くならない
市場金利が上昇した場合、変動金利ではそれに合わせて金利が上がり、支払額も増えてしまいます。
変動金利には、5年ルールや125%ルールといった一定の制限がありますが、それでも市場金利が上昇すると支払額が増えるリスクは避けられません。
しかし、固定金利の場合、金利が契約時に決定されているため、市場金利が上昇しても支払額は固定のままとなります。
このため、市場金利の上昇による支払負担の増加を回避することが可能です。
固定金利のデメリット
固定金利のメリットは、分かりましたが逆にデメリットは何でしょう。
ここからは、固定金利のデメリットについて解説していきます。
変動金利と比べると金利が高い
一般的に、固定金利は変動金利よりも高めに金利が設定されています。
特に固定金利期間選択型の場合、固定期間が終了すると金利の引き下げ幅が縮小し、適用金利が上昇する可能性もあるでしょう。
したがって、固定金利を選ぶことで、変動金利よりも高い利息負担を負う可能性があります。
金利が下がった場合損になる
将来の金利の動向は予測が難しく、特に全期間固定金利型の場合、金利が高い時期にローンを組むと、その後に金利が下がっても高い金利を支払い続けるリスクがあります。
結果として、変動金利を選んでいた方が合計の支払額が少なかったという状況に陥る可能性があるでしょう。
変動金利のメリット
変動金利のメリットは何でしょう。
ここからは変動金利のメリットについて解説していきます。
固定金利より金利が低い
変動金利は通常、固定金利と比べると金利は低いです。
借り入れる金額の多い住宅ローンは、1%程度の金利差でも総返済金額に大きな影響があります。
変動金利を選ぶことで、総返済金額を抑えることができるでしょう。
市場金利と共に金利が下がる
変動金利は、金利が定期的に見直されるため、市場金利が下がるとそれに応じて支払額も減少します。
最近のように、日銀のマイナス金利政策で低金利が続いている状況では、変動金利を選ぶことで返済総金額が少なくなるケースが多いです。
また、変動金利には返済の金額の急激な増加を抑える仕組みがあり、金利が上昇してもすぐに支払額が大幅に増えることはありません。
これにより、返済負担が急に増えるリスクを軽減できます。
変動金利のデメリット
変動金利のデメリットは何でしょう。
ここからは、変動金利のデメリットを解説していきます。
総返済金額が見えない
変動金利は金利が定期的に見直されるため、総返済金額が固定されません。
将来的に金利がどのように変動するかは予測が難しく、不確定要素が多いです。
このため、長期的な資金計画や返済計画を立てるのが難しくなります。
市場金利と共に返済総金額が増加する
市場金利が上昇すると、それに伴って返済総金額も増加します。
変動金利には「5年ルール」や「125%ルール」があり、急激な返済額の増加は抑えられていますが、利息の割合が増えることで負担が増加してしまうでしょう。
そのため結果として、長期的には支払う総額が大きくなるリスクがあります。
まとめ
固定金利と変動金利は両方にメリット、デメリットがあります。
メリット、デメリットを鑑みてご自身のプランに合った金利システムを選ぶと良いでしょう。
参考URL固定金利と変動金利の違いって?それぞれの特徴や住宅ローンがお得になる選び方とは|iyomemo(いよめも) (iyobank.co.jp)
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