都心の新築マンションが高嶺の花となっておりますが、なぜ価格が高騰しているのでしょう。
この記事では、そんな都心マンションの価格高騰について解説していきます。
マンション価格はなぜ高騰している?
マンション価格はなぜ高騰しているのでしょう。
ここからは、マンション価格高騰の理由について解説していきます。
建築資材価格や人件費の上昇
マンション価格の高騰の一因は、建築資材価格や人件費の上昇です。
建築資材価格は、2015年を基準とすると2020年までは安定していたものの2021年以降急激に値上がりし、2023年には指数が130ポイント前後に達しています。
また、建設業界では就業者数が減少しており特に技能を持つ人材の不足が深刻です。
これにより、給与水準の引き上げが求められ結果として人件費の高騰が続いています。
低金利の影響
もう一つの重要な要因は、低金利の影響です。
現在日本銀行による金融緩和政策のもとで、住宅ローンの金利が低く保たれています。
例えば、住宅金融支援機構の「フラット35」の金利は、2017年から2021年にかけて年間1〜2%程度で安定していました。
この低金利環境が、住宅ローンの利用を促進し不動産市場への投資を後押ししています。
円安による海外投資家の購入増加
さらに歴史的な円安もマンション価格高騰の一因です。
円安によって、日本の不動産が海外の投資家にとって割安と見なされ購入が活発化しています。
特に新型コロナウイルスの影響で日本に訪問できなかった投資家もオンラインでの内見や購入を行い、日本の不動産市場への投資が続いています。
入国規制の緩和が進めば、さらなる購入の増加が予想されるでしょう。
テレワークの普及による住替え需要の増加
テレワークの普及もマンション価格の高騰に影響を与えています。
新型コロナウイルスの影響でテレワークが広がり、自宅での仕事環境を整えるために中古マンションを購入する人が増えました。
テレワークを効果的に行うには、専用の作業スペースや設備が必要で賃貸物件ではそれらのカスタマイズが難しいため、購入を選ぶ人が多くなっています。
また、不動産投資家も住替え需要の増加を見越して、物件購入を増やしている可能性があるでしょう。
23区内の価格差は?
東京23区内のマンション価格は、区ごとに大きな差が見られます。
中心部に位置する千代田区、中央区、港区などでは、平均価格が1億円を超えることが多くこれらのエリアは高級住宅地としての地位を確立しています。
特に千代田区は、皇居周辺や多くの一流企業の本社が集まるため、マンションの需要が非常に高く価格も常に高水準です。
こうしたエリアでは、高いステータスと優れた利便性が評価され資産価値が維持されています。
一方、北区、足立区、葛飾区などの周辺区では、価格が比較的安価であり1,000万円から3,000万円台の物件が多く存在します。
これらのエリアは、都心部に比べて生活コストが低く若いファミリー層や初めて住宅を購入する人々に人気があります。
こうした地域では、住環境が穏やかで日常の生活費も抑えられるため、コストパフォーマンスの面で魅力的です。
また、区によっては再開発や新たな交通インフラの整備が進んでおり、こうしたエリアでは今後の価格上昇が期待されます。
例えば、鉄道の新路線の開業や大規模な再開発プロジェクトが進行中のエリアでは、将来的に資産価値が上がる可能性があるでしょう。
マンション購入の適切なタイミングは?
マンションを購入する際、適切なタイミングを見極めることは非常に重要です。
以下の3つのポイントを考慮することで、より有利な条件で購入できる可能性が高まります。
金利動向
住宅ローンの金利動向は、マンション購入において非常に重要な要素です。
長期金利の影響を受ける住宅ローン金利は、2022年には一時的に年3%を超える水準まで上昇しましたが、日銀の金融緩和策の継続によって、2023年には一時的に金利が低下しています。
しかし、2024年は日銀が政策金利の利上げを決定しているため金利が再び上昇する可能性あります。
そのため現在の比較的低い金利水準を利用して、固定金利で住宅ローンを組むことが賢明かもしれません。
時期
マンション購入において、自分でコントロールできるのが購入の「時期」です。
一般的に不動産市場の繁忙期である2~4月は取引が活発で、価格が高くなりがちです。
2023年のデータでも、3月と4月が最も価格が高い時期でした。
逆に、繁忙期を過ぎた5月以降は価格交渉がしやすくなる傾向があります。
また、繁忙期は不動産会社の営業スタッフとじっくり相談しにくいこともあるため、できるだけこの時期を避けることが賢明です。
社会情勢
マンション購入を考える際には、社会情勢の影響をよく理解することが大切です。
例えば、近年では新型コロナウイルスの影響が大きな要因となりましたが、2023年5月8日にコロナウイルスが感染症法上5類に引き下げられたことで、経済活動が回復傾向にあります。
このような社会情勢の安定期に入ったことで、ローンの支払いに対する不安が減少し、マンション購入を検討するタイミングが整ったと言えます。
これらのポイントを考慮し、社会情勢が安定しており金利が低い時期かつ不動産市場が繁忙期を過ぎた時期にマンションを購入することで、より有利な条件で取引を進めることができるでしょう。
まとめ
新築マンションは、人気の地域でこれからも高騰していくと考えられます。
購入する場合現在の自分の状況を鑑みて、購入する地域を考えていくとよいでしょう。
参考URL東京23区は8000万円超が前提…普通の人には絶対に買えない「新築マンション」の値上がりが続くワケ 都心の不動産価格はさらに暴騰する可能性もある | PRESIDENT Online(プレジデントオンライン)
東京23区の新築マンション価格、初の1億円超 23年平均 – 日本経済新聞 (nikkei.com)
2024年最新!東京都心中古マンション価格の動向と今後の予測 – 事業承継ドットコム (librus.co.jp)
マンション価格の高騰はいつまで続くのか|理由や購入の最適なタイミングも解説 | コラム | auじぶん銀行 (jibunbank.co.jp)