住宅の購入は、現金一括とローンを組むのではどちらがおすすめなのでしょう。
この記事では、そんな住宅購入の現金一括とローンを比較していきます。
現金一括購入のメリットとデメリット
現金一括のメリットとデメリットは、何でしょう。
ここからは、現金一括購入でのメリットとデメリットについて解説していきます。
メリット
現金一括購入の最大のメリットは、手続きが簡単で速い点です。
住宅ローンを組む際には、通常仮審査や本審査など多くの手続きが必要であり、融資が実行されるまでに1か月以上かかることが一般的です。
しかし、現金一括での購入ではその時間を短縮できるため、早く住宅を自分のものとすることができます。
また、ローンを利用しないため金利や保証料、団体信用生命保険などの余分な費用が発生せず、諸費用を抑えることができる点も大きなメリットです。
デメリット
一方で、現金一括購入にはいくつかのデメリットもあります。
まず、住宅を購入するためには多額の現金が必要であり、これにより他の重要なライフイベント(例えば、子どもの教育費や老後資金)に必要な資金が不足するリスクがあります。
さらに、現金一括購入では住宅ローンを利用した場合に適用される「住宅借入金等特別控除」といった税制上の優遇措置を受けることができません。
この控除は、ローン残高の1%を最大10年間にわたり所得税から控除するもので、非常に優遇された制度です。
ただし、長期優良住宅や低炭素住宅などの認定を受けた場合には、「認定住宅新築等特別税額控除」により、現金購入でも最大65万円の控除を受けることが可能です。
住宅ローン利用のメリットとデメリット
住宅ローンのメリットとデメリットは、何でしょう。
ここからは、住宅ローン利用のメリットとデメリットについて解説していきます。
メリット
住宅ローンを利用する最大のメリットは、手元資金が少ない場合でも住宅を購入できる点です。
特に頭金がない場合でも、審査に通れば住宅ローンを利用してマイホームを手に入れることが可能です。
これにより、多くの人が夢の住宅を購入できます。
また、住宅ローンを利用することで「住宅借入金等特別控除」といった節税効果も期待できます。
この制度により、ローン残高の一部が所得税から控除されるため、税額が大幅に軽減される可能性があるでしょう。
デメリット
住宅ローンにはデメリットもあります。
まず、ローンの借入れまでに時間がかかる点です。
仮審査や本審査を経る必要があり、通常1か月以上かかるため、現金一括購入に比べて住宅を自分のものにするまでに時間がかかります。
さらに、住宅ローンを利用すると金利、保証料、団体信用生命保険の保険料、登記費用などの諸費用が現金一括購入よりも多く発生します。
これにより、購入時の総費用が高くなる可能性があるでしょう。
また、ローンの利息負担により、長期的には総返済額が現金一括購入よりも多くなるリスクもあります。
金利や返済期間に応じて最終的な返済総額が増加するため、慎重な計画が必要です。
実際にどっちがお得?
実際、結論から言うと、家を現金一括で買うよりも住宅ローンを借りた方が有利な場合が多いと言われています。
理由の一つは、住宅ローンの金利が非常に低く設定されていることです。
これは、銀行にとって住宅ローンが低リスクであり、住宅や土地を担保にしていること、また政府の施策によって低金利が維持されているためです。
さらに、住宅ローンを利用すると「住宅ローン控除」という税制上の優遇措置を受けることができます。
この控除により、支払った利息の一部が所得税から還付され、結果的に税負担が軽減されます。
また、ローンを借りることで、手元の現金を一括で支払う必要がなく資金を他の運用や投資に回すことが可能です。
例えば、新NISAを活用して資産運用を行えば、利息以上のリターンを得ることができる可能性もあります。
実際試算によれば、年利0.56%という低い運用利回りでも13年間で十分な利益を得られるため、リスクを取らずに資産を増やすことが可能です。
また、ローンを利用することは「時間を買う」ことでもあります。
つまり、今すぐ全額を支払うのではなく、返済期間中に少しずつ支払いながらその間にお金を有効活用することができます。
特に住宅ローン控除が適用される13年間の間に資産運用を行うことで、利息負担を軽減しつつ資金効率を高めることができるのです。
もちろん、住宅ローンを利用するか現金一括で支払うかは個人の資産状況やリスク許容度によって異なりますが、現金を家に投入することで資金が固定化されてしまう一方、住宅ローンを活用すれば資金を自由に運用できる点で非常に魅力的です。
したがって、住宅購入を検討する際には、住宅ローンを上手に活用して資金効率を最大化することが賢明な選択となるでしょう。
まとめ
現金一括購入は、早期に住宅を手に入れ金利などの余分な費用を抑えられるメリットがありますが、多額の現金が必要で税制上の優遇が受けにくい点がデメリットです。
住宅ローンは手元資金が少なくても住宅を購入でき、税制上の優遇が受けられる一方で、審査手続きに時間がかかり総返済額が増える可能性があるというデメリットがあります。
それぞれのメリット・デメリットを理解し、自身のライフプランや資金状況に応じて最適な選択をすることが重要です。
参考URL住宅購入、ローンと現金一括のどちらにすべき?メリット・デメリットを比較 (zeiri4.com)
家を現金一括で買うのと住宅ローン どっちが得? FPが判断基準を解説 (fukurou-navi.com)