シニア世代は、仕事環境の変化や家族構成の変化から住み替えをする人も多い世代です。
この記事では、そんなシニア世代の住み替え事情について解説していきます。
シニアの約3割が住み替えを検討している
内閣府の「令和5年度 高齢社会に関する意識調査」(『令和6年版高齢社会白書』)によると、65歳以上の約3割が住み替えを「検討している」または「将来的に検討したい」と回答しています。
「明確に住み替え意向がある」と答えた人は約6%ですが、「現時点ではないが将来的には検討したい」という層が約25%です。
つまり、今すぐではなくても、多くのシニアが住まいの見直しを意識しているのです。
年代別では60〜64歳が最も高く、年齢が上がるほど割合はやや下がります。
これは、体力や判断力に余裕のあるうちに住環境を整えたいと考える人が多いことを示しています。
また、賃貸住宅に住んでいる人は持ち家世帯よりも住み替え意向が高く、半数以上が何らかの形で住み替えを検討しているのです。
住み替えを考えるきっかけは「健康不安」
住み替えを考える理由のトップは「健康・体力面への不安」です。
階段の上り下りがつらくなった、段差につまずきやすくなった、買い物や通院が不便になった——こうした身体機能の変化が、住環境を見直すきっかけになります。
そのほかにも、
・住宅の老朽化
・買い物施設や医療機関へのアクセスの悪さ
・子どもの独立による家の広さの見直し
などが挙げられます。
一方で、「自然豊かな環境で暮らしたい」「趣味を楽しみたい」といった前向きな理由での住み替えも少なくありません。
住み替えは“問題解決”だけでなく、“人生後半をより豊かにする選択”でもあるのです。
住み替え先は「持ち家」が最多
住み替え先として最も多いのは持ち家です。
一戸建てが約3割、分譲マンションが約17%と、安定した住環境を求める傾向が見られます。
持ち家であれば、手すりの設置や段差解消などのリフォームを自由に行えるメリットがあります。
一方で、賃貸住宅やサービス付き高齢者向け住宅を選ぶ人も少なくありません。
特に将来的な介護や見守り体制を重視する人は、高齢者向け住宅を候補に入れる傾向があります。
現在の住まいが持ち家の人は「次も持ち家」を選ぶ割合が高く、賃貸の人は「次も賃貸」を選ぶ傾向があるなど、現状維持志向も強いことが特徴です。
エリアは「住み慣れた場所」が人気
住み替え先として最も多いのは「同一市町村内」です。
約6割が同じ都道府県内での住み替えを希望しています。
さらに、「住んだことがある場所」「実家がある場所」「家族や知人がいる場所」など“なじみ”のある地域が人気です。
老後は新しい刺激よりも、安心感や人間関係の継続を重視する傾向があります。
特に緊急時に頼れる家族が近くにいる環境は、大きな安心材料となります。
住み替え費用の平均は約3,000万円
住宅金融支援機構の調査によると、住み替え費用の平均は約3,000万円です。
資金源の約7割は預貯金。次いで住宅ローンや、元の住宅の売却資金が続きます。
住み替えを実行した世帯の平均貯蓄額は約2,600万円とされており、ある程度の資金的余裕が成功のカギになっていることがわかります。
一方で、「老後資金を減らしたくない」という理由で住み替えを見送る人も少なくありません。
老後は医療費や介護費など予測できない出費も増えるため、慎重な判断が求められます。
住み替えのメリットとデメリット
メリット
・バリアフリー住宅で安全に暮らせる
・医療・買い物の利便性が向上する
・コンパクトな住まいで管理が楽になる
・新たなコミュニティができる可能性
デメリット
・まとまった費用がかかる
・環境変化によるストレス
・住宅ローンが組みにくい
・売却損が出る可能性
特に高齢になると住宅ローンの審査が厳しくなるため、資金計画は慎重に立てる必要があります。
住み替えを成功させるポイント
・家族と十分に話し合う
・現在の家の資産価値を把握する
・将来の健康状態を想定する
・資金計画を具体的に立てる
・専門家に相談する
住み替えで最も多い悩みは「住宅や業者、エリアの選定」です。
信頼できる不動産会社やファイナンシャルプランナーの助言を受けることで、判断の負担を軽減できます。
まとめ
シニア世代の住み替えは、老後の安心と快適さを左右する大きな決断です。
健康面の不安や利便性の向上をきっかけに検討する人が多い一方で、資金面の課題や環境変化への不安も存在します。
重要なのは、「まだ元気なうちに選択肢を広げておくこと」です。
今すぐ住み替えなくても、情報収集や資金計画を始めるだけで、将来の安心感は大きく変わります。
自分や家族にとって最適な住環境とは何かを考えながら、後悔のない住まい選びを進めていきましょう。
参考URL老後の住み替えに潜む恐ろしい罠!賃貸や持ち家に住み替える際に注意すべきことは? | SBIシニアの住まいとお金
シニアの住み替えポイント10 | SUUMO(スーモ)
【50~60 代】シニアの住み替え成功のポイントは?老後に失敗しない住み替え方法を解説 | SBIシニアの住まいとお金








