近年、賃貸の新たなトレンドとして浴槽のない物件が登場してきています。
この記事では、そんな浴槽レスの賃貸の実態について解説していきます。
浴槽レスとは?シャワー中心という選択肢
浴槽レスとは、固定式の浴槽を設置せず、シャワーのみで入浴する住まいのことです。
これまで日本の住宅では「浴槽付き」が標準とされてきましたが、近年は都市部の一部物件でシャワーブースのみの仕様が見られるようになりました。
特に若年層の間では、「湯船に毎日は浸からない」「掃除の手間を減らしたい」という価値観が広がっています。
SNSでは“風呂キャンセル界隈”という言葉も話題になり、入浴の目的を“リラックス”よりも“清潔維持”と捉える人も増えています。
本当にトレンド?市場全体の動向
浴槽レス物件は、東京都内を中心に一定数供給され、入居率が高い事例も報じられています。
しかし、賃貸市場全体で見れば依然として「バス・トイレ別」「浴槽付き」は人気条件です。
つまり、浴槽レスは“主流”というよりも、
・都市部の単身者向け物件
・コンセプト型のデザイナーズ物件
・極小住戸(10㎡前後)
などで採用される“選択肢の一つ”といった位置づけです。
「一部で注目されている新しい住まい方」と捉えるのが現実的でしょう。
なぜ浴槽レス物件が登場しているのか?
居室面積を広く確保できる
浴槽を設けないことで浴室スペースをコンパクトにでき、その分居室を広く取ることが可能になります。
テレワークの普及により「部屋を少しでも広く使いたい」というニーズが高まったことも背景の一つです。
実際に、三菱地所レジデンスは、設備を選択できる賃貸シリーズ「Roomot(ルーモット)」を展開し、シャワーユニット中心の住戸も開発しています。
これは「浴槽をなくすことで居室の価値を高める」という発想に基づくものです。
入浴に対する意識の変化
LIXILが実施した2024年の調査では、7割以上が「入浴を面倒に思うことがある」と回答しています。
面倒なときに省略する工程として最も多かったのが「湯船に浸かること」でした。
ただし、この調査は“入浴意識”に関するものであり、住宅市場全体の構造変化を示す統計ではありません。
浴槽レス物件の増加を直接証明するものではない点は注意が必要です。
家賃は本当に安いのか?
「浴槽がない=家賃が安い」というイメージを持つ人もいますが、これは一概には言えません。
家賃は立地、築年数、設備グレード、面積など複数要素で決まります。
実際には、
・極小物件で家賃が抑えられているケース
・デザイン性の高いシャワーユニットを採用し、むしろ割高なケース
の両方が存在します。
浴槽がないこと自体が直接的に家賃を下げる決定要因になっているという統計的裏付けは確認されていません。
浴槽レスのメリットとデメリット
浴槽レス住宅には、従来の浴槽付き物件とは異なるメリットとデメリットがあります。
まずメリットとして挙げられるのは、掃除の負担が軽減される点です。
浴槽がないため、湯垢や水垢のこびりつき、排水口のぬめりといった手間のかかる掃除が減り、日常の家事負担を抑えることができます。
また、湯張りの時間が不要になるため、帰宅後すぐにシャワーを浴びられるなど、時間を効率的に使えるのも利点です。
さらに、浴室スペースをコンパクトにできる分、居室を広く確保できる可能性があります。
ワンルームや1Kなどの限られた間取りでは、この差が生活の快適さに直結します。
テレワーク用のデスクを置いたり、収納スペースを確保したりと、空間を有効活用しやすいです。
加えて、シャワー中心の生活であれば、使用する湯量が抑えられ、結果として水道代やガス代などの光熱費が下がる可能性もあるでしょう。
一方で、デメリットもあります。
冬場は湯船に浸かることで体の芯まで温まるという習慣がある人にとっては、保温性の面で物足りなさを感じるかもしれません。
シャワーだけでは十分に体が温まりにくいと感じる場合もあります。
また、湯船に浸かることで得られるリラックス効果や疲労回復感を重視する人にとっては、満足度が下がる可能性があるでしょう。
さらに、現在は単身で問題がなくても、将来的に同居や結婚、子どもの誕生など家族構成が変わった場合、浴槽が必要になるケースも考えられます。
その際には住み替えが必要になる可能性もあり、長期的な視点での検討が重要です。
浴槽レスは「主流」ではなく「選択肢」
現状を整理すると、
・若年層や都市部で一定の需要はある
・コンセプト型物件として注目されている
・しかし市場全体の標準とは言えない
というのが実態です。
浴槽レスは「浴槽を削る住まい」ではなく、「自分に必要な設備を選ぶ住まい」と考えるほうが実態に近いでしょう。
まとめ
浴槽レス賃貸は、都市部の一部層を中心に注目されている新しい住まいの選択肢です。
しかし、全国的な主流トレンドとまでは言えず、家賃が必ず安くなるという単純な構図でもありません。
大切なのは、
・自分は湯船にどれくらい入るのか
・掃除や光熱費をどう考えるか
・居室の広さを優先するか
といったライフスタイルとの相性です。
物件探しの際には「浴槽付きが当たり前」という固定観念にとらわれず、自分にとって必要な設備は何かを基準に検討してみるとよいでしょう。
浴槽レスは、そのための一つの選択肢として確実に存在感を高めています。
参考URL“風呂キャンセル界隈”は面倒だけが理由じゃない!?「浴槽レス」な令和の賃貸住宅新トレンド | 住まいのお役立ち記事
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