新築住宅と中古住宅。買うのであれば、どちらが良いのでしょうか?
新築なら内装や設備が新しくて気持ちいいということがあります。一方、中古であれば広い物件であっても予算的に無理せず買えるというメリットがあります。どちらがあなたにピッタリでしょうか。今回はご参考のために新築と中古のそれぞれの特長をお話していきます。
新築と中古、立地や家の広さで比べてみたら
立地はどちらが有利でしょうか
かつては、中古住宅の方が「駅に近く利便性に優れた物件が多い」と言われていました。しかし、最近では、駅周辺の再開発や区画整理プロジェクトが活発化しており、駅の近くに立地条件の良い新築マンションが建設されるケースも増えています。
しかし、新築マンションは販売される時期や条件が限られているため、必ずしも自分の希望する条件を備えた物件がタイミングよく見つかるというわけではありません。
広さはどうなのでしょうか
古いマンションは、専有面積が小さい傾向にあります。例えば、最近売りだされているマンションは70㎡台がメインとなっていますが、1980年代の首都圏では、専有面積が50~60㎡というのが一般的でした。こうした時代背景もその理由のひとつとして挙げられるでしょう。
一戸建ての場合は、築年数というよりも土地の広さと用途地域によって住宅の広さが決まるため、新築と中古で建物面積が大きく変わるということはありません。物件次第ということです。
住まいの設備や仕様の面ではどうでしょうか
住宅の設備・仕様は年々進化しています。新築であれば、最新の設備が備え付けられていることが多く、ビルトインの食器洗い機や床暖房付きの物件はたいへん人気があります。かつては特別な設備でもあったオートバスや断熱ガラスも、今ではほぼ標準装備となっています。カードキー、LED照明や生ゴミディスポーザーなどを備える物件も増えてきました。
ただし、新築マンションや建売住宅では、基本的に仕様が決まった形で販売されていますので、必ずしも自分の望む設備が備わっているとは限りません。(オプションで設備のグレードアップのできる物件もあります。)
一方の中古住宅では設備も古くなっている場合が多くなります。リフォームなどにより最新のものへと一新させることは可能ですが、建物の広さや配線・配管などの関係で希望通りのシステムが設置できないというケースもあります。
また、マンションでは窓サッシなどは共用部分とされているため、原則として個人で勝手に取り替えることはできません。
間取りや住み心地も気になります
望み通りの間取りプランがあるでしょうか
マンション・一戸建てともに、間取りのバリエーションが豊富なのは新築物件になります。特に最近のマンションは大型化している傾向にあり、分譲される戸数も多いため、様々な間取りのプランが用意されています。未完成物件であれば、幾つかのパターンの中から、望みの間取りを選択できるケースもあります。
築年数の古い中古物件では、各戸のプランが固定されてしまっていることが多く、時代とともにライフスタイルも変化してきているので、間取りが現代の暮らしにマッチしていない場合もあります。
リフォームすることで、家族構成やライフスタイルにフィットした間取りに変えることも可能です。
住み心地やご近所づきあいは?
新築の場合、マンションでも一戸建ての分譲の場合でも、世代や年収の近い入居者が一斉に入居するケースが多く見られます。このため、近所づきあいもしやすく安心感があります。
中古住宅では、ご近所づきあいのために自分から積極的に動く必要も出てきます。しかし、下見を入念にすることで、隣近所にどのようなご家族が住んでいるのかを事前に把握できるというメリットもあります。
費用の面では、どちらが有利なのでしょうか?
購入価格は、一般的には新築の方が高くなっている
購入価格は、マンションでも一戸建てでも、立地や広さなどの条件が同じであれば、新築の方が中古よりも高くなるのが一般的です。築年数が古くなるほど、新築との価格差は大きくなります。しかし、中古でもしっかりと管理されている物件は資産価値が維持されており、新築とそう変わらない価格の場合もあります。
また、中古を購入の場合、新築よりも初期コストを安く抑えることができますので、そこで浮いたお金をリフォームにまわすこともできます。
税金や諸費用は、どちらが多くかかるのでしょうか
税金面で言えば、新築の方が購入時や入居してからの税金が中古より軽減される場合があります。
例えば所有権を登記するときの登録免許税は、新築の方が低い税率になっています。また、入居後にかかってくる固定資産税は、一定条件を満たしていれば建物分については新築から当初の3年間(マンションは5年間)、半額となる特例があります(認定住宅ではない場合)。
一方で、中古の場合、もし売主が個人である場合には消費税がかからないというメリットがあります。ただし、この場合、住宅ローン控除で戻ってくる税金が10年間で最大200万円となり、新築の最大400万円と比べると半分になってしまいます(認定住宅ではない場合)。
税金や住宅ローン控除は、様々な条件によって異なってきますので、実際にはご自分のケースにあてはめてしっかりと確かめておく必要があります。
購入時の諸費用としては、契約時の印紙代や登記費用、ローン保証料などが必要となります。新築では物件価格の3%~5%が目安です。中古の場合は、5%~8%程度と言われていますが、仲介物件については、これに加えて仲介手数料(物件価格の3%+63,000円)を支払う必要があります。新築でも売主物件ではなく仲介物件であった場合は、同じように仲介手数料が必要となります。
まとめ
お住まいの購入をご検討する際には、金銭面のメリットをとるのか、間取りを気にするのか、最新設備にこだわるのか、住み心地や近所づきあいを第一に考えるのか、さまざまな選択肢が考えられるかと思います。
新築と中古それぞれのメリット・デメリットを理解し、何を優先すべきかを意識して、ぜひ、お気に入りの物件を探してください。