業者さんに頼んで、自宅をリフォームしたいけれど、いつ、何を、どうしたらよいのか分からないという方も多いと思います。
満足のいくリフォームを、希望する時期までに完了させるためには、まずは、リフォームの流れや手順を理解しておく必要があります。
そこで、賢くスムーズにリフォームを進めるための「基本の知識」を、リフォームの流れに沿って解説していきます。
リフォームの流れ(手順と進め方)
リフォームの大まかな流れは以下のとおりです。
1)イメージ作り&情報収集
2)リフォーム予算を決める(資金計画)
3)依頼先探し・簡易見積もり(複数社に依頼)
4)現場調査(2~3社に依頼)
5)詳細見積もり・プランの比較
6)依頼先の決定(契約)
7)工事スタート(着工)
8)完成・引き渡し
リフォームの流れとその基本知識
1) イメージ作り&情報収集
まずは「リフォームのイメージ作り」から始めましょう。
「どこをどんな風にリフォームしたいか?」それをはっきりさせることがスタートとなります。日々の生活の中で「困っていること」「不便なこと」「改善したいこと」を具体的に書き出してみましょう。
例えば、
・地震がきても倒壊しないように耐震補強をしたい
・水回りが古くなってきて使いにくいので新しくしたい
・体が動かなくなってきたのでバリアフリーにしたい
・料理を楽しむためにも対面式のキッチンにしたい
・家族構成が変わったので間取りを変更したい
などなどです。
ここで、要望や希望が多い場合は、その優先順位を決めておくことも重要です。また、予算の関係や建物の構造上の都合で実現できないこともあるので、頭に入れておきましょう。
次に、リフォームの理由と目的を明確にして、リフォームの内容を決めていきます。
内容が決まったら、ご家族の考えるリフォームのイメージを具体化しておきましょう。
雑誌や写真、Webサイトなどを見て、おおよそのイメージをつけておくと、リフォーム業社に話すときにも、伝わりやすくなります。また、こだわりの設備がある場合は、その情報を事前にチェックしておきましょう。
2)リフォームの予算を決める(資金計画)
次に、リフォームの予算を決めて、資金計画を立てていきます。
手元資金から、老後資金として残しておきたいお金や当面の生活費などを差し引いて、残った額がリフォーム予算となります。もし、不足の場合は、リフォームローンを利用するという方法もあります。
当面手当てできる予算だけでリフォームをしたけれど、数年後にバリアフリーの必要性が出てきてしまったというようなこともあります。二度手間やダブルコストにならないように、先を見越して資金計画を立てていくことも大事です。
なお、リフォームに着手した後で、予想できなかった追加工事が必要となる場合も出てきます。予算は1割ほど余裕をもたせておくと安心です。
・リフォームローンと住宅ローンの違いとは?
リフォームで使えるローンは、住宅ローンとリフォームローンの2種類があります。両者には、以下のような違いがあります。
●金利はリフォームローンのほうが高め
●借入年数はリフォームローンのほうが短い(15年間まで、など)
●借入可能額はリフォームローンが数十万円~1,500万円以内、住宅ローンは500万円以上1億円以内程度
●リフォームローン金利は変動金利が多い傾向、住宅ローンは変動・固定(当初固定金利・長期固定金利)から選ぶことができる
などです。
必要な金額に応じてリフォームローン、または住宅ローンを選んでください。借入額が少ない場合は、リフォームローンを使う方が良いでしょう。
また、住宅ローンを返済中にリフォームを考える場合は、「返済中の住宅ローンの残債とリフォーム資金を合わせた額を借り換える」という方法もあります。(金融機関によっては、できないところもあります)
3) 依頼先探し・簡易見積もり(複数社に依頼)
リフォーム内容と予算が決まったら、依頼先の選定に入ります。リフォーム会社にはそれぞれ得意分野がありますので、希望するリフォームが得意そうな会社を見つけることが大事です。
複数のリフォーム会社のカタログを取り寄せるとともに、Webサイトなどで実例等を見ながら自分の理想とするテイストにあったリフォーム業者を見つけていきます。
最近では、希望にあったリフォーム会社をいくつか提案してくれるWeb一括見積もりというサービスもあります。そういったサービスを利用するのもおすすめです。
まずは、相場や業者さんとの相性を知るためにも、複数の業者さんに相談し、簡易見積もりをお願いするのが良いでしょう。
4) 現場調査(2~3社に依頼)
コンタクトをとった複数のリフォーム会社のうち、さらに候補になりそうな会社に、現場調査をしてもらいます。実際に希望通りのリフォームができるかどうか、正確なリフォーム費用はいくらになるか、などは現場を見てもらわないと分かりません。
現地調査では、家屋の状態や構造を確認してもらい、こちらの細かい要望についても相談していきます。この現地調査によって、詳細見積もりの精度も上がってきます。
なお、現場調査や詳細見積もりを依頼したからといって、その業者に工事を頼まなければならないというわけではないので、心配は不要です。
昨今では、相見積もりは常識となっています。ただ、業者さんには「相見積もり」をとることを伝えておきましょう。
現地調査の時には、普段の生活ぶりや家財の量、問題点等を把握してもらうために、必要以上にきれいに片付けておかないこともポイントです。
現場調査の時には、できれば下記の資料を準備しておきましょう。
・図面(建築、購入時、以前のリフォーム時の資料)
・建築確認申請書類や建築当時の工事写真
・家の不満や改善したいことのリスト
・リフォームのイメージに近い写真等
・マンションの場合は、管理規約(リフォーム内容に影響が出る場合があるため)
現地調査の時には、予算(少し幅を持たせて)や工事の希望時期なども伝えておきましょう。
5) 詳細見積もり・プランの比較
現場調査の後、2~3週間ほどで各社から要望を反映したプランと詳細見積書が届きます。その中から、予算的に合いそうな業者を選んでいきましょう。ただ、金額面だけでなく、依頼時から提案までのやり取りを通して感じた担当者との相性を加味しておくことも大事です。
6) 依頼先の決定
プランと詳細見積もりを比較検討し、その中で最も納得感があり、担当者との相性が良いと感じた1社と正式に契約して、工事を依頼します。
見積書に記載された設備や建材については、カタログや写真を見て判断するのではなく、ショールームで実物を見て確認しましょう。カタログや写真だけで判断するよりも、実際の使用イメージが湧いてきます。
ショールームでは、自分の身体にあった高さや大きさなのか、実際の使い勝手はどうか、掃除のしやすさはどうか、などをチェックしましょう。また、設備や建材の実際のカラーや質感、肌触りなどを確かめておくことも重要です。
7) 工事スタート(着工)
契約を締結すると、いよいよリフォーム工事がスタートします。工事の着工前には、工程表が作成されますので、必ず事前に目を通して日程を把握しておきましょう。
工事期間中は騒音や振動、ほこり、工事車両の出入り等でご近所に少なからず迷惑をかけてしまいます。後々のトラブルを避ける意味でも、事前に挨拶回りをしておきましょう。
挨拶は、リフォーム会社単独で行うことが多いようですが、一緒に、あるいは別途挨拶に伺う方がベストです。
工事中は、プランどおりに進んでいるかどうか、途中経過を見ておきましょう。場合によっては、「収納棚を増やしたい」「コンセント数を増やしたい」等の要望が出てくることもあります。また、本来あってはならないことですが、現場の勘違いで間違った作業をしてしまう場合もありますので注意が必要です。
なお、お茶やお菓子などの差し入れをすべきかどうか気になる方もいると思いますが、短期間の工事の場合は、そこまで気を遣う必要はありません。差し入れをする場合は、事前に担当者に確認しておくと良いでしょう。
8) 完成・引き渡し
工事が終わると「竣工検査」となります。現場監督とともに、「図面や仕様書通りに作業が終わっているか」「キズや不具合はないか」「設置した設備や機器が問題なく作動するか」などを一つずつチェックします。ここで問題がなければいよいよ完成、引渡しとなります。
もし、問題があった場合は、その場で伝えて、修正をお願いします。その修正を確認したうえで、引き渡しのステップに進んでいきます。
引渡し書類にサインをして、リフォーム会社からは設備機器の説明書、保証書、残額の請求書などを出してもらいます。
この時、アフターケアの確認を行っておくことも大切です。完了後の不具合の問い合わせ先や設備の使い方の問い合わせ先、メンテナンスについてもしっかりと確認しておきましょう。担当者はもちろん、リフォーム会社としての対応も確認しておきましょう。
まとめ
リフォームには、ある程度まとまった金額が必要となります。また、情報収集から始まって、リフォーム計画のとりまとめ、業者さんとの交渉と選定、ローンなどの交渉と手配、工事の立ち合いなど、多くの手間と時間がかかります。
そこで、リフォームに失敗しないためには、ここでご紹介したような「リフォームの流れ」を把握し、それぞれのステップでの留意点を理解しておくことが大事です。
この記事をご参考に、ぜひ、素敵なリフォームを実現してください。
[参照URL]
SUUMOジャーナル / 「失敗しないリフォームの教科書」 / 新生銀行