「家が手狭になった」「子どもの教育を考えて住環境を変えたい」など、さまざまな理由から、家の買い替えを検討し始める方は多いようです。
家の買い替えにあたっては、失敗しないように進めていきたいものです。そこで今回は、家の買い替えで後悔しないために押さえておきたいことや、注意点などをまとめました。
家の買い替えで後悔しないために、まず確認しておくべきこと
住まいの買い替えは、現在の住まいの売却と新居の購入をほぼ並行して進めていかなければなりません。そのため、単に住まいを売却したり、購入したりするだけよりも手続きや進め方が複雑になります。途中でつまずいてしまわないように、最初に抑えておくべき5つのポイントをご紹介します。
1) 買い替え以外の選択肢がないか再検討してみる
買い替えは、現在の住まいに何らかの不満や問題点があって検討する方が多いと思います。その問題を解決するための方法としては「買い替え」以外の道はないのか再検討しておきましょう。例えば、リフォームなどで解決できる場合もあります。買い替えにはある程度の資金と手間が必要となります。後悔しないためには、それに見合うだけの効果があるのかをしっかりと再検討しておくことが大事です。
2) 手持ちの資金とローン残債を確かめておく
新居の購入費用、売却時の経費、売却益にかかる費用、引っ越しの費用など、買い替えでは、さまざまな出費が発生します。手持ちの資金とローン残債を確認して、買い替えにいくらの費用をかけられるのか、前もって把握しておくことは大変重要です。
ちなみに、ローン残債があっても「買い替えローン」を利用することで買い替え資金を調達することは可能です。ただし、通常の住宅ローンより審査が厳しくなるため注意が必要です。
3) 買い替えの税制上の特例などを調べておく
買い替えには、税制上の特例があります。例えば、所有期間が5年を超える住宅は、5年以下の家と比べて、譲渡所得の課税率が半分程度となる特例があります。こうした特例や控除の例を調べておけば、資金計画を立てるときにも役立ちます。
4) 新居に求める最低限の条件をまとめておく
新居の物件探しを進めていくと目移りしてまったり、気が大きくなってしまったりして、買い替えの本来の目的を忘れてしまう場合があります。そのようなことがないように、最初に、新居に求める最低限の条件をしっかりとまとめておけば、本来の目的を見失ってしまう心配もありません。
5) 家族の合意をはかっておく
家族の考えがバラバラのままで買い替えを進めてしまうと、後々、もめごとの原因となってしまいます。買い替えでは、家族の生活環境も変わることになります。家族全員が、同じ方向を向いて進められるように、家族の合意を形成しておくことが大事です。
皆さんは、どんなタイミングや理由で買い替えているの?
家の買い替えにはさまざまな理由があります。また、家族のライフサイクルの中で、どのようなタイミングで買い替えるのがベストなのか迷うこともあると思います。ここでは、これまでの買い替え経験者の中で、比較的多かった理由やタイミングをご紹介します。
・子供の成長や教育環境の変化で
「子供が成長して自分の部屋を欲しがるようになった」「受験を控えた子供に、集中できる勉強部屋を与えてあげたかった」など、お子様の成長や学習環境の変化にともなう家の買い替えは多いようです。お子様の通学の利便性や学区の変更などで、家の買い替えを検討されるケースも見られます。
・自然災害などのリスクを避けるため
「住んでいるエリアがハザードマップで危険なエリアであることが判明した」「実際に、ゲリラ豪雨で、自宅付近の道路が冠水してしまい、今後も心配だ」など、災害リスクを考えて家の買い替えを検討する方もいらっしゃいます。
・家が老朽化したため
家の老朽化による買い替えも多いようです。老朽化に対しては、リフォームという方法もありますが、この機会にもっと便利な立地に買い替えようと考える方もいます。
このケースでは、一戸建てから、中古のマンションへと買い替える事例も多いようです。
・家の資産価値を考えてタイミングを見ていた
「いずれ買い替える予定で購入した家の売却価格が希望金額に到達したので」と、売却に有利なタイミングを図って、買い替えをしたとい方もいます。家の売却価格は、築年数が浅いほど高く売れる傾向にあることは確かですが、築年数が長くても立地や建物の状態によって高値になることもあります。ご自分の家の資産価値を見極めておくことが大切です。
家の買い替えは「売る」と「買う」のどちらを先に?
買い替えで考えておかなければならないのは、物件の売買の手順です。まず、現在の住まいを売却してから新居を購入する「売り先行」が良いか。それとも、新居を購入してから売却する「買い先行」が良いのか。迷ってしまいますが、どちらを選べばよいのかは、それぞれの状況によって違ってきます。
・「売り先行」に向いている方
売却益を購入資金や旧居の住宅ローンの返済に充てたいと考えている方。
・「買い先行」に向いている方
住宅ローンを完済しており、資金に余裕のある方。
・「売り先行」のメリット
「売り先行」では、売却益を新居の購入資金や旧居の住宅ローンの完済資金に充てることができます。売却益が確定しているため、購入プランに無理がなく、資金計画の面でも心配がありません。
・「売り先行」の注意点
タイミング的に、売却してから新居を購入するまでの期間は賃貸などでの仮住まいが必要となることが多くあります。その仮住まいの経費を抑えたいがために、新居の購入を急いでしまい失敗してしまうケースもあるので、注意が必要です。
・「買い先行」のメリット
新居の購入資金を旧居の売却益に頼らず進めていける「買い先行」は、新居探しにじっくり取り組めて、妥協せずに購入できる点がメリットです。
仮住まいの費用や、仮住まいのための引っ越しの手間なども不要です。
・「買い先行」の注意点
「買い先行」で、もし、旧居の住宅ローンが残っている場合は、ダブルローンのリスクもあるため注意が必要です。また、そのリスクを回避しようと、旧居を売り急いでしまい、結果的に安値で売却してしまうケースもあります。「買い先行」は、旧居の住宅ローンを返し終えている方に適していることを理解しておく必要があります。
まとめ
買い替えを成功させるためには、さまざまな注意点があります。ご自分の経済状況、資金の目当て、ご家族のライフステージなど多彩な角度から検討しておくことが重要です。
なによりも、5年後10年後のご自身とご家族の姿を予測して、計画的に買い替えを進めていくことがポイントとなります。
ぜひ、この記事をご参考に、ご自分にとっての買い替えの理想的なタイミングを見極めて、新居での新しい暮らしをお楽しみください。
[参照URL]
LIFULL HOME’S
https://www.homes.co.jp/cont/sale/sale_00169/